役に立つ?日本酒頭語集サ行

● サエが悪い

濾過が不十分であったり、火落ちなどのある不良酒を指す。

● 酒袋

醪を槽で搾る場合に使う、醪を入れるための袋。昔は「木綿に渋柿」といって、木綿を柿の渋で染めた袋が良いとされたが、現在では化学繊維が多く使用される。

● 酒米

一般的には、日本酒造りに用いるお米すべてを指すが、現場感覚では酒造好適米のこと。

● 雑味

日本酒の味覚物質のバランスが悪く、イヤミに感じ、くどく、汚い味をいう。雑味のある日本酒を「ガラが悪い」などと呼ぶ。

● 酸臭

腐造した日本酒に多く見られる不快な臭い。饐えた臭い。醪のアルコール醗酵が微弱になって、腐造性の乳酸菌が増殖して出た臭い。

● 三段仕込み

造りの工程中、酛に麹・蒸米・水を一回として、それを三回に分けて加え、日本酒を造る方法。一回目を初添、二回目を仲添、三回目を留添という。

● 酸度

日本酒の中にある酸の量のこと。数値が大きいほど辛く感じられる。

● 三倍増醸酒

普通酒のひとつのカテゴリー。本来の日本酒に過度の醸造アルコールと調味液(糖類・酸味料・調味料など)を添加したお酒。純米酒の約三倍の量となるためにつけられた名称。

● 雫酒 槽や機械を使わずに、「首吊り」あるいは「袋吊り」といった方法で搾られた日本酒。純度が高く、コクのある味が特徴。

● 仕舞仕事

麹を造る際、その最後に行う品温調整(麹米の攪拌)作業のこと。麹米を広げ、米層をつくり表面積を大きくし、品温の上昇を防ぎながら水分の蒸発を促す。

● 蛇管

火入れする時に使う螺旋状の管。これに日本酒をとうして、最初の火入れを行う。但し、吟醸酒の火入れではこの蛇管は使わず、小瓶に少量ずつ分けて入れ、お燗をする要領で火入れするか、プレート式熱交換機を使うのがこだわりである。

● 酒化率

醪を搾った時に採れた日本酒の量のこと。仕込みに使った白米の量に対して、どれだけ日本酒になったかの比率。酒化率の%数値が大きいほど、日本酒になった量も多い。しかし、極上の吟醸酒の酒化率は低いのが普通。

● 熟成

日本酒を熟して、香味を丸くし、お米本来の旨さを生ませるために寝かせること。

● 熟成香

熟成させておいた日本酒によって生まれる良い香。その香りの主体はフラノンと呼ばれ、老酒に近い香りといわれる。

● 酒造好適米

酒米の中でも、特に日本酒造りに適したお米のこと。本醸造酒・純米酒・吟醸酒ようには各々三等~特上までの厳格なランク付けがあり、[大粒]「心白がある」「軟質性」「たんぱく質や脂肪が少ない」「吸水が早い」という特徴がある。

● 上槽

醪を搾ること。「日本酒」と「酒粕」に分離する作業で、醪を酒袋に入れて搾る方法と、機会で搾る方法がある。

● 醸造アルコール

デンプン質または含糖質物質を原料として醗酵させ、そして蒸留した無味無臭のエチルアルコールをいう。

● 醸造糖類

トウモロコシやイモのデンプンからつくられるブドウ糖、そして水飴白糠糖化液などを総称した名称。

● 醸造用水

日本酒造りに用いる水全般を指す。当然、天然水が良である。用途としては次の三つがある。①洗米・浸漬用②仕込み用③雑用

● 白糠糖化液

精米した後に出る白糠を液状に糖化したもの。これを日本酒に混ぜて甘味調整をする。糠=米という考え方をする酒蔵が存在し、あろうこと糠を醗酵させて日本酒もどきをつくり、売ろうとしているらしい。また、生産量をかせごうとして本醸造酒や純米酒にもこの液体を内緒で入れている酒蔵もあるらしい。

● 新酒

醪を上槽して出てきた日本酒。「搾ったばかりの日本酒」という良いイメージが強いが炭酸ガスを含んでいて舌にチクチクと触り、香り華やかであるが、旨さはのってない。

● 真精米歩合

通常の精米歩合は、精米した後のお米の重さを、精米する前のお米の重さで割って算出する。真精米歩合は、精米後のお米千粒の重さを精米前のお米千粒の重さで割って計算する。

● 浸漬

精米されたお米を水に漬け、精米で失った水分を「必要な分だけ」お米に吸収させること。

● 心白

お米の中心にある白い部分。酒造好適米にみられる。

● 筋泡

醗酵している醪表面の泡の一つの状態を指す。留添後二日から三日で出る、数本の筋状の泡。醗酵がスタートしたことを示す。

● スベリ麹

枯草菌(納豆菌)いう雑菌が繁殖した使えない麹。

● 製麹

麹を造ること。

● 製造時期

販売する目的で容器に充填し、密封した時期。日本酒が造られた時期ではない。

● 精米

お米の不要な部分を取り除き、お米を磨くこと。現在は、コンピューター制御による縦型精米機により精米されるのが一般的である。

● 精米歩合

お米の磨き具合のこと。精米歩合(%)=白米重量(㎏)÷玄米重量(㎏)×100で表す。

● 積算温度

貯蔵~熟成期間を決める一つの目安。熟成までに必要とされる貯蔵期間を、貯蔵温度の累積を一つの参考値として決める方法。

● 責め

上槽した時、最後に出てきた日本酒。主に、槽を使って搾った日本酒を指す。中取の後、酒袋の位置を変え、その上から圧力をかけて搾った日本酒。

● 洗米

精米されたお米を洗うこと。第二の精米と言われるほど重要な作業。お米についた糠を取りきれいにする。

● 総破精

麹を造るときに使われる言葉。破精の一つの状態を指す。製麹中に、お米の全表面および内部にまでも菌糸が深く食い込んでいる状態。糖化力とタンパク質分解力が強い。酛麹用、あるいは山廃のような濃醇酒に適している。

● 速醸

酛内に乳酸を得る方法の一名称。酛を造る時、既製の乳酸(醸造乳酸)を用いて、酛を造る方法。明治末期の発明。酸味が少なく、優しくソフトな酒質になるため、吟醸酒などに良く使われる。

● 速醸系酛

既製の乳酸を使って造られた酛の総称。「高温短期速醸酛」「中温速醸酛」「高温糖化酛」「希薄酛」などがある。

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