日本酒を勧める際の目安

自分が飲んだことのない日本酒をお客様に勧める際、分かりやすいのは生産地の食

文化を想像してください。なぜならば、日本酒と郷土料理には深い繋がりがあるから

では具体的に食文化と日本酒の味は、どう関わっているのだろう。まず大きくは山

と海、そして日本海側と太平洋側に分けて考えることができる。山と海では、食文化

は大きくちがってくる。海では、魚料理が多く、しかも新鮮なために生でも食べられ

るし、「わた」とあえる珍味も多い。山となると、たんぱく質をとるには保存食に頼

ることが多くなり、漬物や干物など塩分の多い料理になる。山で狩りをしてとれるク

マやウサギなどの肉も、いつもコンスタントに手に入ることは少ないし、肉そのもの

も臭みがあるので料理は濃い味つけにすることが多い。

そこで海の食文化圏の日本酒は、鮮魚の生臭さに合わせるために淡麗なものが多く

なる。しかも料理があっさりしているので辛口が多い。一方、山の食文化圏では、保

存食の濃い塩分や、味つけの濃いこってりした料理に合わせるために濃い口でどっし

次に、日本海と、太平洋の味比べをしてみよう。日本海側では、冬雪に閉ざされる

時間が長く、生活の中の日本酒は長時間かけて飲み続ける傾向が多い。また日本海の

魚は、身が締まっている。そのため酒も繊細な資質に仕上がっている。逆に太平洋側

では、比較的気候が安定しており、おおざっぱな飲み方が多いのではないか。さらに

太平洋側の魚は、味がおおらかなものが多い。そこで日本酒の資質としては豪快でお

おらかなものが多くなる傾向にあるように思える。

この基本さえ押さえれば、その地方の郷土料理の味と、人々の生活を想像するだけ

基本的な日本酒の味や資質が大まかに理解できるようになるはずだ。

このように酒の生まれた土地について想像力を養っていくことで、その日本酒に合

うつまみや料理が思い浮かんでくるし、海か山か、日本海側か太平洋側かを知ること

で、ある程度は酒の味の想像がつくようになる。

ポイント

1 日本酒の生産地の生活や郷土料理を想像しながら薦めたら?

2 海の酒は淡麗辛口、山の酒は濃厚

3 日本海側の酒は繊細、太平洋側の酒は豪快

4 日本酒通への近道は想像力

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