● 焙炒造り
お米を10%くらい精米して、そこで熱風をあててお米を融かし、仕込む方法。味のほうがいまいちなのはいうまでもない。
● 馬鹿破精
破精の一つの状態を指す。お米の全表面および中心まで破精込んでしまう「総破精過多症」の状態をいう。良質な日本酒つくりにはむかない。
● 破精
麹菌の菌糸がお米に食い込んでいる状態を指す。麹菌の酵素がお米のデンプンをブドウ糖に分解している証である。
● 破精落ち
まったく破精ていない麹。使えない。
● 破精込み
麹菌の菌糸がお米に食い込むこと。
● 初添
三段仕込みの初回。
● 八反錦
広島県で開発された酒造好適米。
● 初呑切
冬の間に仕込んで、貯蔵~熟成させている日本酒の「熟成度」「酒質」「火落菌」などを、仕込みタンクごとにチェックし、成分分析する最初の官能検査作業。毎年、六月~八月に実施されるが、その後も必要に応じて適当な時期に行われる。醸造試験所関係者・税務署関係者・卸問屋関係者、そして蔵元・杜氏・出荷管理責任者などが集まり、利き酒を行う。造りを無事終えたという、一種イベント的意味合いもある。
● 発泡清酒
アルコール分の少ないライトな日本酒に、二酸化炭素(炭酸ガス)を吹き込んだ日本酒。
● 火入れ
日本酒に熱をあて加熱殺菌すること。通常二回、貯蔵前と瓶詰めに行われる。汚染の防止と熟成中の味に関係するため、日本酒にとっては非常に重要な作業。
● BY
Brewer Yearの略。醸造年度のこと。
● BY大吟醸酒
大吟醸酒の一年ものを指す。
● 火落ち
火入れしたにもかかわらず、それに漏れた(落ちた)菌(火落菌)が増殖し、香味が劣化すること。
● 火落香
火落菌の繁殖により生じる臭い。つわり香に似ている。
● 火落菌
日本酒を混濁させ香味を悪くする細菌。乳酸菌に属する菌で、ある程度アルコールがあった方が、良く育成する変わった菌。
● 引き込み
荒息を抜いた(ざっと熱を冷ました)蒸米を、麹造りのために麹室に運び入れること。また、利き酒で口に含んだ日本酒の香りを見る時、鼻から息を抜くこと。
● 秘蔵酒
五年以上貯蔵~熟成させた日本酒。
● 老香(ひねか)
熟成が過剰となった時に出る臭い。焦げっぽい臭い。
● 冷やおろし
貯蔵前だけの火入れを行い、秋に出荷される日本酒。新酒時に比べると、旨さがのっているため、昔から一夏越した冷やおろしは旨いとされている。
● 瓶香
ガラス製の瓶に長期間日本酒を入れておいたときに、保存温度や紫外線の影響でつく瓶の臭い。
● 瓶火入れ法
日本酒を瓶詰してから加温する方法。
● フクノハナ
東北地方で開発された酒造好適米。
● 含み香
日本酒を口に含んだまま、鼻からゆっくり息を抜いたときに感じる香り。「口中香」ともいう。
● 袋香
酒袋に入れて搾った日本酒につく、酒袋の臭い。程度によってはろ過することで消える。
● 腐造
仕込み中に日本酒が腐って、ダメになること。
● 蓋麹法
手造りによる麹造りの一つの方法。幅50cm~60cm×奥行30cm~40cm×高さ6cm~7cmの木製の蓋(箱)に麹米を入れて丁寧に麹を育成させる。特に、吟醸酒用の麹造りの用いられる方法。
● 普通アル添酒
普通酒の1カテゴリー。米・米麹・醸造アルコールを原材料として造られた日本酒。醸造アルコールの添加量には決まりがある(白米1トンあたり120L以上280L以下である)。精米歩合には決まりがない。
● 普通酒
純米酒に、増量の目的でいろいろな物を混ぜて造った日本酒。なんと、全日本酒の流通量の八割を占める。
● 槽頭
搾りの工程を取り仕切る責任者。
● 槽
醪を搾る器具。幅1.5m×奥行3m×高さ3mくらいの木製の搾り器。醪を酒袋に入れてこの槽に重ねて積み、上部より圧力を加えて搾る。
● 踏込み粕
上槽が終わって残った板粕を夏まで密閉し、自らの酵素によって軟らかくなった酒粕。大変栄養価が高い。
● 並行複発酵
日本酒の造りにおける最大の特徴。また、独特の醸造方法であり、世界的にも例がない複雑な発酵法。麹によるデンプンのブドウ糖化と、酛におけるブドウ糖のアルコール化を一つのタンク内で並行して同時に進行させること。
● 坊主
発酵している醪表面の泡が「地」の状態になった時、醪表面に何も浮いていない状態を指す。
● ボーメ計
醪のエキス分を計るときに用いる比重計。醪が若い時点で、大雑把にエキス分を計る。日本酒度計は、発酵が進みもう少し詳しくエキス分を知りたいときに用いる。
● ボーメ度
発酵が若い時点での醪内のエキス分の度合(量)。
● 本仕込み
「本醸造酒」と同義で使われているのが一般的だが、稀に本仕込みと銘打った純米酒もある。
● 本醸造酒
米・米麹に、香味調整の目的で醸造アルコールを加えた日本酒。醸造アルコールの添加量は、使用白米1トンにつき120ℓ以下(白米重量の10%以下)。精米歩合は70%以下。
● 本玉泡
発酵している醪表面の泡の一つの状態を指す。玉泡の二期目辺りの状態で、「前玉泡」がまだ少し小さくなった頃の泡をいう。